実績からピックアップ・リサーチ編

撮影やビジネスの交渉前には、必ず入念なリサーチを行います。これまで行ったリサーチから役に立ちそうな情報をピックアップ。

フランス・マルシェのしくみ

マルシェマルシェマルシェ
マルシェでは生産者、農家の姿も見かけます。

フランス市場商人組合全国同盟(FNSCMF)からのコメント

マダム シャルリンヌ・ブラッサンス(Charline Brassens)によると、 「フランスのマルシェの歴史は、中世にさかのぼり、質と価格のよさが消費者に支持され、 社会的なつながりを持つ場として評価されています。

マルシェは、公共の場での営業になるので、市町村議会が定めたtaxeを支払います。 その価格は、一律ではなく1平方メートル当たりの金額で決められます。 パリ市など、マルシェの数が多い自治体は、出店税を高くしようとする傾向が見られます。

フランスでは、マルシェの規則が定められ、うまく機能するように組織されるのですが、 国や自治体からの金銭的な援助はありません。 マルシェに出店する商人は、店を構える商人と同じ規則下におかれ、同様の権利を持っています。 出店するには、行商・職人の活動を認める「職業カード」を所持する必要があります。

パリのマルシェと管理会社

マルシェとは、食品だけでなく、花や切手市なども含まれますが、ここでは、食品に限定して見てみます。

パリ市によると、青空市場は69。室内市場は12あります。
青空市場の管理会社は民間3社、 室内市場は、パリ市が1カ所、民間が2社(うち、1社は青空市場も管理)です。

出店希望者は、希望するマルシェの管理者に書類を提出し、管理会社はパリ市の担当セクションに転送し、申請の許可がおりれば 出店できます。18歳以上のフランス人、EU圏出身者に加えて、正式な滞在許可のある外国人も出店できます。
(パリ市のサイト2010年8月31日アップデート)

マルシェの管理会社にインタビュー

パリの青空市場を管理する3社のうち、22のマルシェを管理している Societe Cordonnier Freresに電話で聞きました。

マルシェに出店を希望する場合は、必要書類を管理会社に提出。 管理会社がそのマルシェに必要と判断した出店者の書類をパリ市の担当セクションに転送。 パリ市は、調査をして判断。商人は職業カードなどが必要で、農家は、農業共済組合に加盟していることが条件。

マルシェに立つ商人と農家の割合は、マルシェによって大きく異なりますが、中心部に行くほど農家が減っているそうです。 かつて、パリ近郊に農家が多かったので出店する農家の数も多かったそうですが、現在は地方から運んでくる農家が多く、 駐車しやすく大量の品物を並べることができるパリ周辺に出店する農家が目立ちます。例えば、 11区のバスティーユの場合116の出店者のうち、生産者(農家)は4件ほど。19区のベルビルは107のうち4件とどこもこれぐらいの割合だということです。

マルシェの出店料

出店料は、パリ市議会が毎年決めています。パリ市に納めるredevanceと管理会社に収めるサービス料。どちらの金額も決めるのは議会で、管理会社によって料金が変わることはありません。

先の管理会社によると、パリの青空市場の場合は、間口1メートルあたり月35.76ユーロ、4メートルあたり月143.04ユーロ。 奥行きは一律なので、間口の長さで料金が決まります。

青空と室内あわせてパリ市内30のマルシェを管理しているSociete DADOUNによると、屋内市場の場合は、ガス・電気代や管理費などが加算になるので複雑で、青空市場よりも高いそうです。

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