プロフェッショナルしか立ち入りできないフランス最大、いや世界最大の市場、ランジス国際卸売市場に、料理人JUNが潜入! フランスの食の拠点、ランジスからのリポートです。
ランジス市場って?
ランジス国際卸売市場。
パリ中心部から15kmほど南の郊外に位置する、世界最大級の食品流通拠点。日本で言う、築地市場かな。
ランジス市場のHPによると、広さ232ha(ちなみに築地は23haだって)。東京ドーム50個分だって。12000人が、まだ日が昇る前から働き、1200以上の企業が集まる。フランス中、そしてスペイン、イタリア・・・・など諸外国からの新鮮な魚介、お肉、野菜、果物、乳製品・・・。 一端ここに集められた食材達が、デパート、スーパー、レストラン、街の商店街へと流通され、パリとその近郊およそ1800万人の胃袋を支えています。
ちなみに一般の人たちは、許可なくして入ることは出来ないそうです・・。
ランジス探訪計画
ランジスに連れて行け!!!!
某日、ある日本の魚屋の社長さんが発したこの一言で、ランジス市場探訪計画が生まれました。
フランスのレストランで働いてもう6年目、まだこの「パリの胃袋」と言われるランジスに行ったことがない。
中々1人で行けるもんじゃないし、いい機会じゃないか。
でも待て、街のマルシェじゃない、こういう所って、許可がないとは入れない?
ランジスのHPを見てみる。うん。ダメ。もしくは有料での見学ツアー、か。
しかも、曜日も時間も指定されている、と。却下。
さてさて、ここでちょっと頭にピンとよぎった人が居る。
このブログでもおなじみ、いつも行く、Levalloisのマルシェ。
いつも魚を求める魚屋さんの大将。この人に頼んでみるしかない。
いつも思っていた。買い物の時、悪いけど他の従業員はダラダラ、のんびり、話は聞かない、
まあ、とてもいい態度とは言えない訳。全員じゃないけどね。
この大将だけは、きりっといい顔、魚屋の顔。
飛び回って働き、誰にでも親切に対応する。お魚と、この商売が大好きな人の顔だ。
この人なら聞いてくれるだろう、直感。
忙しそうな、一瞬のすきを見て近寄り、実は・・・・・・・・・・・・。
おお、おお。そうか。オレは、毎日深夜から朝の6時まで、ランジスにいる。
日本の同業者か、ランジスに興味があるんだね。オレが案内をしよう。いつでもいいよ。
3時頃来てくれるのがベストかな。これが携帯の番号だ。名前は、ジル。
着いたら電話してくれ。
許可証?いい、気にするな。
!!!!
- いつも行くルヴァロアのマルシェの魚屋Gillさん(左)
ジルさんのお店。所狭しと並べられたお魚たち。イセエビ(Langouste)は飾り!(右)
ランジスへ、出発!
善は急げ、さっそく伺うことにしよう。
朝2時出発。道もすいており、40分ほどで着いてしまう。
さっそくジルさんに言われた通り、PAVILLON DE LA MAREE(パヴィヨン・ド・ラ・マレ)へ。
日本語だと、鮮魚館、と言うところかな。
いやーしかしこれほど広いとは。
街全部がランジス市場、と言う感じ。
- これくらいの大きさの建物が、何十あるか分からない。
建物の外では、トラックが、ガンガン走っている。
- 市場内のカフェで、ちょっとコーヒーを。
白衣のムッシュー達が、熱いエスプレッソで体を温めている。
市場構内は、白衣着用が原則。
- すでに中から、忙しそうなざわめきが聞こえてくる。
ここが入り口。
じゃあ、入ってみよう。
- 驚いたのが、広さよりも、その明るさ、清潔感。
いやなにおいが一切しない。
日仏市場比較
写真だと、あまり人が居ないように見えますが、実際は結構います。
場所によって、青魚、赤身、そして鯛は鯛、スズキはスズキ、と箱が詰まれる場所が決まっています。
僕は日本の魚市場でも働いた経験があり、
いろいろ比較してしまいますが、
魚種はやはり日本の方が圧倒的に上。
そういう季節なのかな・・?
いや、フランスの魚介って、季節感がないんだよね。
日本だったら、春はメバルの煮付け、鰆を焼いて、夏は鯵にイサキ、スズキ。
秋になれば秋刀魚、戻り鰹、冬なんてご馳走の山!タラにあんこう鍋、
ブリにキンメに牡蠣!!
これはホンの一例。
アンコウは一年中あるしエビもカニも常にある。
- フランスは季節に関係なく、いつでも同じ魚がある。
このへん、日本人の感覚と違うよね。
さあ、ジルさん登場。
- 忙しそうに働いています。
積んでいる箱は、マグロの切り身。
日本食ブームの影響か、フランス人も生のマグロを食べます。
- じゃ、これに乗って
続く
写真に埋もれてデーターのアップが遅れています。